学生時代に製作したペンケース。
小さなものだけれど、自分の中で大きな転機となったものでもある。

木材工芸研究室のグループ展に出品したものの一つがこのペンケース。

展示会を訪れた陶芸家の女性が私のペンケースを購入したいと言ってくれ、
驚きと嬉しさでいっぱいだったものの
学生で自分の作ったものを販売する（できる）とは考えていなかった私…
値段の付け方も分からず困っていると、女性が「私の作品と物々交換しませんか」と提案してくださり、
その方が作ったとても素敵な湯呑み2個と交換していただいた。

それまで自分が製作したものは自分や家族しか使っていなかったので、
そうではない誰かに使ってもらえることに大きな喜びを感じたと同時に
「自分の作ったものを売るって仕事にできるのかな…」と
期待や不安が入り混じった不思議な気持ちになったことを思い出す。
ものづくりを真剣に考えるようになったきっかけの出来事。


約20年後に偶然再会したその陶芸家の女性から
ペンケースをまだ手元に置いてくれていると聞き、
ものづくりの楽しさをさらに感じさせてくれたことに心から感謝。

Design+Making:AYA（1999）