Plastic Chair for Library
1:1模型 prototype
Design Project at Danish Royal Academy of Fine Arts, School of Architecture
この頃から「読書空間」(私的に読書空間とは本を読む空間だけでなく本のある空間、本を飾る空間も含む)
に興味を持ち始め、プロジェクトテーマは「図書館で使われることを想定したスタッキングできるプラスチックの椅子」。
椅子の側面が面で覆われていてキャスター付なので、本を持ち歩いて手が塞がっている時は足でちょこんと蹴って移動できる。
座面高は立ち座りがしやすいように高めに設定。
座面に重さを加えると椅子が床面に接地し、キャスターが止まる構造。
この課題には思い出が満載。
その1
当初、私はベテラン先生のアドバイスを受けながら座る部分と(本を取る)架台部分の二つの機能を持ち合わせた椅子をデザインしていた。(写真3枚目)
そして、中間講評会でのこと。先生3名と学生約30名の前でそれまでのデザイン進捗状況を1人ずつ発表。
私の発表で若い先生が「君のデザインには賛成できない!」と完全否定。
そこにすかさずアドバイスをくれていたベテラン先生が「そんなことはない!」と割って入ってきて、私を挟んで二人の論戦スタート!
(日頃からお互いに思うところがあったのか?)言い合いが止まらない先生方…オロオロする私…かなりシュールなプレゼンタイムとなった。
気不味い雰囲気で終了したプレゼンの後にデンマーク人のクラスメイトが「日本人ならこういう時はセップクしないのか(笑)」と
楽しげに話しかけてきたけれど、ひきつった笑顔で返すことしかできなかった。
次の日にベテラン先生が「君はその椅子のデザインをもう一度考え直した方が良さそうだ」と囁いて、最初の案はボツとなった。
その2
散々だった中間講評からなんとか挽回したいと意気込み、(確かそこまで求められていなかったけれど)1:1の原寸模型を作って最終講評会に挑むことに。
と言っても、プラスチックで作るのは現実的ではなかったので、なんとか見た目だけでもプラスチックっぽく見えるような模型を作ることにする。
最適な材料がなく思い悩んでいると….学校のすぐそばにちょうど建築工事中の現場が!
現場にいたおじさまに「学校の課題製作で使いたいので、そこにある(断熱材の)発泡スチロール板を分けてもらえないですか…」と恐る恐る聞いてみる。
ちっこいアジア人が突然やってきて材料を欲しいとはおじさんも驚いただろうが、デンマークの人は学生に優しい!快く分けてくれた。
それからしばらくは毎日のように発泡スチロールを削る→やすりをかける→パテで埋めるを繰り返し、全身真っ白。
最後に光沢のある塗装をして、なんとかプラスチックに似せた模型が完成した。
最終講評会はデザインの質というよりは完成までの努力が評価され、なんだか複雑な気持ちだった。
けれど、何より中間講評とは違って平穏無事に終わったことに安堵した。
日本に帰る時に、自分の頑張りの成果を置いていけず(やめておけばいいのに)この模型を船便で送った。
40日以上かけてようやく届いた荷物からこの椅子が出てきたのを横で見ていた父が
「おまえ〜、デンマークからわざわざ便器持って帰ってきたのか〜」
と全くもってデリカシーゼロの言葉を投げかけた。
そこからしばらく、私は父と口をきかなかったように記憶しているけれど、
時が経って改めてこの模型写真を見てみると、確かに!20年前のトイレというよりはここ最近のトイレの形によく似ている!
父は先見の明があったのだろうか…今となっては亡き父との笑える思い出である。
散々だった中間講評からなんとか挽回したいと意気込み、(確かそこまで求められていなかったけれど)1:1の原寸模型を作って最終講評会に挑むことに。
と言っても、プラスチックで作るのは現実的ではなかったので、なんとか見た目だけでもプラスチックっぽく見えるような模型を作ることにする。
最適な材料がなく思い悩んでいると….学校のすぐそばにちょうど建築工事中の現場が!
現場にいたおじさまに「学校の課題製作で使いたいので、そこにある(断熱材の)発泡スチロール板を分けてもらえないですか…」と恐る恐る聞いてみる。
ちっこいアジア人が突然やってきて材料を欲しいとはおじさんも驚いただろうが、デンマークの人は学生に優しい!快く分けてくれた。
それからしばらくは毎日のように発泡スチロールを削る→やすりをかける→パテで埋めるを繰り返し、全身真っ白。
最後に光沢のある塗装をして、なんとかプラスチックに似せた模型が完成した。
最終講評会はデザインの質というよりは完成までの努力が評価され、なんだか複雑な気持ちだった。
けれど、何より中間講評とは違って平穏無事に終わったことに安堵した。
日本に帰る時に、自分の頑張りの成果を置いていけず(やめておけばいいのに)この模型を船便で送った。
40日以上かけてようやく届いた荷物からこの椅子が出てきたのを横で見ていた父が
「おまえ〜、デンマークからわざわざ便器持って帰ってきたのか〜」
と全くもってデリカシーゼロの言葉を投げかけた。
そこからしばらく、私は父と口をきかなかったように記憶しているけれど、
時が経って改めてこの模型写真を見てみると、確かに!20年前のトイレというよりはここ最近のトイレの形によく似ている!
父は先見の明があったのだろうか…今となっては亡き父との笑える思い出である。
Design+Making:AYA(2002)